睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠中に、1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHI: エーエイチアイ)が5回以上ある場合に睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)といいます。
SASの原因
① 上気道の閉塞で空気が流れにくいタイプ(多くの人はこのタイプ)
肥満による気道閉塞や就寝前の飲酒による舌の落ち込み、扁桃肥大、あごが小さい
(★痩せている女性でもSASということもあります!)
② 脳の呼吸中枢の障害によるタイプ
主な原因は脳や心臓の病気
SASの症状 心当たりはありませんか?
いびきをかく・夜間の頻尿・寝相が悪い
日中の眠気・日中の倦怠感・起床時の頭痛
日中の眠気の程度が病的であるか、次のテストを行うことも目安となります。
Copyright. Murray W. Johns and Shunichi Fukuhara.2006.
11点以上では病的な眠気があると考えられ、その原因の一つとしてSASの可能性があります。
また、10点以下の場合でも睡眠中のいびきや、日中の眠気を感じる場合には、SASの検査をすることをお勧めします。
セルフチェック
最近では、スマートウォッチに血中酸素濃度(SpO2)を寝ている間モニタリングできるものも出ています。これらは、正確な診断にはなりませんが、自身の睡眠の傾向を知るためにはとても良いツールかと思いますので、お試しになってみるのも良いと思います。
SASはさまざまな病気のリスク!放置は禁物!
睡眠中に無呼吸になることで、血液中の酸素濃度が低下したり、交感神経の活性化状態が続くことで、動脈硬化を促進し、脳卒中や心臓病をはじめとする他の疾患のリスクを高めることになります。
また、SAS患者さんの50%に高血圧症を合併しているとのデータもあります。
SASと高血圧は密接な関係にあります。SASの治療を行うことによって高血圧の改善も期待できます。
SASの検査はご自宅で受けられます
診断のためには、簡易検査と精密検査(終夜睡眠ポリソムノグラフィ: PSG)の2つがあります。重症度によって、簡易検査のみで診断できる場合と、精密検査によって診断に至る場合があります。
当院では、一泊入院の必要はなく、どちらの検査もご自宅で行うことができます。仕事や育児で多忙なため、なかなか入院する時間がとれず精密検査ができずにいる方もご相談ください。
当院でのSASの診療の流れ
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、単なるいびきや睡眠不足として正確な診断、治療に至らないまま見過ごされがちです。しかし、放置すると、命に関わる大きな病気のリスクとなります。
もしご自身やご家族が『もしかして・・?』と思われた方は、早めに検査をすることをお勧めします。