カフェイン摂りすぎていませんか?
今回は、管理栄養士からカフェインについてのお話をします。
コーヒーや緑茶など、日常生活のなかで身近な飲み物に含まれているカフェイン。最近ではエナジードリンクやカフェインを添加した清涼飲料水も身近に増え、とりすぎによる健康被害も問題になっています。一方で、カフェインは眠気覚ましや集中力を高めるなど良い情報も聞きます。では一体カフェインとはどんなものなのでしょうか。
カフェインとは?
カフェインはコーヒー豆以外にも、お茶の葉やカカオ豆(チョコレートやココア)などに含まれている食品成分の1つです。これらを原料にしたコーヒーやお茶などにカフェインは多く含まれ、それを抽出してコーラや清涼飲料水に苦味料としても使用されています。
カフェインは興奮や覚醒作用、解熱鎮痛作用や利尿作用があります。実は、コーヒーやエナジードリンクなどで実感する覚醒作用のほとんどはカフェインに由来すると言われています。しかし、大量に摂取すると副作用として不眠や吐き気などの中毒症状を起こす危険性もあるといわれています。
カフェインは体にどのぐらい残るの?
カフェインの半減時間は4~8時間といわれています。
例えば、16時(就寝6時間前)の仕事中に気合いを入れようとコーヒーやエナジードリンクを飲んだとしましょう。家に帰って疲れて22時に寝ようとしても、まだカフェインの影響があり、なかなか寝付けない、睡眠が浅いなど、睡眠の質が悪くなる可能性があります。最近夜に眠れない、寝ても熟睡できないと悩んでいる方は、もしかしたらカフェインが抜けきっていないのかもしれませんね。カフェインの含有量や個人の体質で個人差はあるかと思いますが、カフェインを摂取するタイミングや量は注意が必要です。
カフェインは1日にどのぐらい摂取しても大丈夫?
健康な成人のカフェインの1日当たり最大摂取量は400mgといわれています。
これはインスタントコーヒーならマグカップ2杯半ぐらいが目安です。コーヒー2杯半と聞くと意外とカフェインは摂りすぎてないかなと思う方もいらっしゃるかもしれません。しかし、カフェインはコーヒー以外にもエナジードリンクや清涼飲料水にも含まれている事が多いです。エナジードリンクは1缶200mlあたり約100mgのカフェインが含まれています。実際にコーヒーを朝夕に1杯ずつ飲んで、昼間にエナジードリンクを飲むと、過剰にカフェインを摂取している可能性があります。もちろん清涼飲料水も同様です。市販されているエナジードリンクや眠気覚まし用の清涼飲料水の成分表示の多くは、100 mL当たりの濃度で書かれています。缶や瓶1本当たりにすると、コーヒー約2杯分に相当するカフェインを含むものもありますので、1日に何本も飲まないように注意しましょう。
子どもがカフェインを摂ってもいいの?
もともとカフェインによる影響の出やすさ(感受性)には個人差が大きく、同じ量を摂取してもその影響が大きく出る人もいればそれほどでもない人もいます。ただし、子どもはカフェインに対する感受性が高く、大人よりその影響を受けやすいと考えられています。多量摂取によって中毒症状に加え、脳の発育を妨げる危険性もあるため注意が必要です。
日本では子どもに対するカフェインの摂取量に規定はありません。しかし少量のカフェインでも、大人よりも子供の方が影響を受けやすいもの。体も脳もぐんぐん成長中の子どもは、できるだけカフェインを摂取しないように気を付けてあげましょう。海外ではカフェインに関して、健康に影響のないとされる量が定められています。そちらを参考にすると13歳以上の青少年は1日あたり2.5mg/kgといわれています。つまり体重が40kgであれば1日100mgが目安です。エナジードリンクや清涼飲料水は甘く飲みやすいですが、カフェインが多いものは子どもにはあまりお勧めできません。
カフェインとうまく付き合うためには
カフェインを摂取する事でいい面、悪い面がありますが、用法容量を意識し取り入れる事でパフォーマンス向上に繋がるとの報告もあります。一度、ご自身が普段飲まれている飲料に記載されているカフェイン量を確認してみてください。
現在お薬を飲まれている方は、種類によっては飲み合わせの悪いものもあります。気になる事がありましたら医師や看護師、管理栄養士などにお気軽にご相談ください。